やらないこと。

2026.09.12

脇和行

Writer

脇和行

家づくりの相談では、

「どんなことができますか?」

と聞かれることがよくあります。

もちろん大事なことですが、私はそれと同じくらい、

「何をしない会社なのか」

も見てほしいと思っています。

予算を合わせるためなら何でも削るのか。

見た目が良ければ、少し無理のある納まりでも進めるのか。

お客さんの希望なら、何でも「できます」と言うのか。

大工として現場に立ってきて思うのは、家づくりには、ときどき「やらない」という判断も必要だということです。

図面の上ではできても、実際につくると無理が出ることがあります。

オシャレに見えても、何年か経つと傷みやすい納まりもあります。

造作家具や造作建具、無垢材、自然素材、塗り壁も、使えば使うほど良いわけではありません。

その家、その暮らしに合うかどうか。

そこを考えることの方が大切です。

職人の仕事は、言われたものを形にするだけではないと思っています。

「これは少し変えた方がいい」

「こっちの方が長持ちする」

そう伝えることも仕事のひとつです。

もちろん、ただ否定するだけではいけません。

なぜそう思うのか。

代わりにどんな方法があるのか。

そこまで話してくれる人かどうかに、その工務店や職人の姿勢が出ます。

四国中央市、新居浜、西条で新築やリノベーションを考えている方も、完成写真だけではなく、打ち合わせの中身を少し見てみてください。

何でも「できます」と言う会社なのか。

それとも、

「この家なら、こっちの方がいいと思います」

と、ときには立ち止まってくれるのか。

家は完成した日だけを見るものではありません。

10年、20年先に、

「あのとき、ああしておいてよかったな」

と思えること。

大工を長くやっていると、つくる技術と同じくらい、「やらない判断」も大事なんだと感じます。

工務店選びでは、そんなところも少し見てもらえたらと思います。